石川県立美術館では、11/11より「棚の美」を開催中です。
松田権六の代表作《蓬萊之棚》をはじめ、初代池田作美や大場松魚など、そうそうたる顔ぶれの作家による棚・棚・棚…。
それぞれの味わいを比較しながらご覧いただきたいと思います。
私だったらここに何を飾ろうかしら、なんてお考えいただくのもすてきですね。いつもよりゆったりとしたスペースづくりにこだわりましたので、《蓬萊之棚》やその向かいに掛けた三谷吾一《飛翔》など、ぜひじっくりとご鑑賞ください。
石川・金沢 トークリレーバトン
能作では、10月6日〜11月26日(定休日:水曜日)まで「蒔絵体験」を開催しています。下絵が描かれた木製のお盆に、漆を塗り金粉等を蒔く蒔絵盆づくり体験。代用漆を使用していますので、かぶれる心配はありません。体験時間は約90分。
また、店内には、石川県内の漆器、輪島塗・金沢漆器・山中塗が一同に見ることができます。当店は、バス停「香林坊」から徒歩5分、金沢市役所隣すぐ。皆さまのご来店、心よりお待ちしております。
金沢市民芸術村アート工房では「アートな仕事ークvol.4 漆芸家 更谷富造」を2017年11月23日(木・祝)に開催します。オークションハウスのサザビーズ社やクリスティーズ社をはじめギャラリーや個人蔵の漆芸品を修復するかたわら、自身の創作も行う世界的な漆芸家 更谷富造氏を招いてトークイベントを行います。漆芸家というお仕事、漆芸の魅力、現在の業界が抱えている問題、これからの展望や夢などを語っていただきます。
観覧無料、要申し込みです。詳しくは金沢市民芸術村(076-265-8300)までお問い合わせください。
金沢市民芸術村から徒歩数分の場所に知る人ぞ知る名店「うどん亭大黒屋」(金沢市長土塀2丁目18-23)さんがあります。うどんや天ぷらが美味しいお店ですが、カレーがこれまた美味しいんです。「カレー鍋うどん」「海老フライカレー」は一度食べたら病みつきですよ。
「清雅」という言葉で皆さまは何を連想されるでしょう。この言葉で「加賀蒔絵」を言い表したのは、石川県立美術館 嶋崎丞館長です。嶋崎館長のみならず、「加賀蒔絵」そして「五十嵐道甫」という加賀藩前田家がもたらした言葉に、金沢の人はひとかたならぬ憧憬と意味を持ち続けてきました。加賀蒔絵という工芸の名。その礎としての工人の名。その両方を、さも我が身のように語る人々が金沢には時代を超えて沢山おられます。それふたつの言葉は、蒔絵・塗り・器物の技法・表現は言うに及ばず、その精神までをも含む言葉として、師から弟子へ、使い手から使い手へと当地に息づきつつ発し続けられて、独自性と多様性ある数々の名品と名工を生み出しました。50年前、その「加賀蒔絵」を後世に繋ぐため作家有志が設立したのが金沢漆芸会です。
金沢21世紀美術館にて、11月9日から「金沢漆工比照 加賀蒔絵からの今」を開催いたします。藩政期の漆芸を直に学んだ設立会員から現会員のKOGEIに至る作品と当会企画作を一堂の展示です。金沢漆芸会の会員作品もその多様性を伝えています。作り手と使い手が共にあり、人は物に心を観、心を通わしつつ暮らしの中で用いられてきた工芸の数々。そして人々。
工芸は日本を解き明かすキーワードです。
金沢という地の品格と独自性を求めつつ多様性とともにあろうとする姿を、漆芸を通じて感じて頂けましたら幸いです。
金沢21世紀美術館フュージョン21では、いろいろな漆盃「金沢盃」で地元の美酒美食がお楽しみ頂けるスペシャルなメニューを11月26日(日)までに限りご用意して頂いております。ぜひ、お楽しみご堪能ください。(後編につづく)
金沢卯辰山工芸工房では加賀藩御細工所以降に栄えた工芸職人たちの技や感性を今に伝え、日々若き工芸家たちが作品に向き合い、切磋琢磨しています。
この秋、本館2階展示室では平成29年度特別展「乾漆−KANSHITSU−展」を開催します。
漆文化は遥か1万年以上前からあり、漆液は器物に塗るということだけではなく、接着の役割や、造形表現にも用いられて来ました。本展示会のテーマ『乾漆(かんしつ)』は7世紀中国から伝承されたと言われています。布を漆で貼り合わせ造形する乾漆は、まさに漆の特性を活かした画期的な技法なのです!
今回の見どころはたくさんありますが、そのひとつは、仏像彫刻で最盛した奈良時代の技法で復元した乾漆像と、現代作家の技法によって作られる乾漆像が同時に見られることです。
会期中卯辰山は紅葉シーズン、帰り道に望湖台や見晴台から夕陽を見るのも最高ですよ!
作家で魯山人研究家の山田和さんの講演があります。(11月12日(日)午後1時30分~)聴講は無料ですので、多くの方のお越しをお待ちしております。講演後はサイン会もあります。当日会場でも山田和さんの新刊を販売いたします。
2階の茶房では、「魯山人プレート」が登場。魯山人写しのお皿に季節の上生菓子と落雁、おすすめの日本茶または中国茶がつきます。期間限定ですので、お見逃しなく。
石川県九谷焼美術館と魯山人寓居跡いろは草庵は、ともに今年で開館15周年を迎えました。そこで両館で開館15周年記念特別企画展「魯山人と初代須田菁華」を開催します。九谷焼美術館では「師弟の絆」、いろは草庵では「大観時代のわざ」と題してご紹介します。
第1会場の九谷焼美術館では、初代須田菁華の作品と魯山人の作品を展示し、魯山人が須田菁華から影響を受けて作陶を始め、古陶磁を超えた独自の作風を築くまでをご紹介します。魯山人の作陶は、星岡茶寮の前身である美食倶楽部の食器制作が始まりであり、それはまた山代温泉での初代須田菁華との出会いに始まります。須田菁華窯で初めて絵付けをした経験から自信を得た魯山人は、大正12(1923)年に須田菁華窯で初の本格的な作陶を始めました。染付を始め幅広い模古作品を得意とした初代須田菁華は魯山人が最も薫陶を受けた人物です。使うための器であることに誇りを持ち、独歩を貫き続けた二人の絆を感じていただけたらと思います。(後編につづく)
工芸館の建物は以前の石川県美術館(1959年竣工)の建物で、金沢市出身の昭和を代表する建築家、故谷口吉郎氏の設計です。庭園研究者でもあった彼のポリシーが中庭などにその特徴を示して落ち着いた風格が感じられます。兼六園周辺文化の森にはその他素敵な建物がたくさんありますから散策するのもお薦めです。工芸館2Fの常設展では石川県内の伝統的工芸品36業種を一堂に展示・紹介しています。(有料)また、ミュージアムショップでは、石川の伝統的工芸品の数々が作家の作品も含めてお気軽にお買い求めいただけます。兼六園から直接入館出来ますので是非お立ち寄りください。
石川県立伝統産業工芸館では、12月5日(火)まで1Fギャラリーに於いて企画展「Small Things 小さきもの~掌サイズの生活工芸~」を開催中です。(無料)小さくて可愛らしいものはいつの時代にも愛おしく、心安らぐ時間と空間を生み出してくれます。九谷焼、山中漆器、加賀繍、加賀象嵌、ガラスなどの中堅、若手作家が、伝統的技法を駆使しながら新しいデザインや手法のもとに制作した掌サイズの工芸品をごらんいただけます。「自分の手元に置いておきたい」「日常気軽に使いたい」と思わせる「小さきもの」たちに是非会いに来てください。 11月12日(日)には、「加賀象嵌のペンダントトップづくり」のワークショップも開催します。 (後編につづく)
日光東照宮で現在行われている修理において、金沢の金箔、特に「縁付け」と呼ばれる、伝統的打紙による金箔が用いられるようになりました。この背景には、文化的建造物の修復には国産漆をという文化庁の方針があります。縁付金箔は今後、東照宮以外の歴史的建造物の修理においても使われることが見込まれます。しかしそれを安定的かつ継続的に供給するには、後継者の育成、手漉き和紙の確保など、克服すべき課題が山積しています。このフォーラムでは、塗装彩色修理に使用される金箔の歴史について、金箔製造に用いる打紙の原材料とその製紙についての2つの講演ならびに文化財保存の素材である金箔を産業の観点から考えるパネルディスカッションを開きます。伝統文化の保存は伝統産業の継承にかかっています。多くの方の参加と平場からの積極的な発言を期待しています。
絶滅危惧の素材と道具・いま起こっていることシンポジウム(11/17)に登壇する研磨炭四種の最後の作り手・木戸口武夫さんに励ましのお手紙を書こう!
古来から日本には、「炭で磨く」文化があります。炭と聞けば燃料としての炭を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。バーベキューで使う炭のほかには、日常の暮らしのなかでは吸湿やにおい取り、浄水という方もいらっしゃるかもしれませんね。
研磨のために炭が使われてきたことは、ものづくりに携わる方以外はあまり知られていないのではないでしょうか。切手やお札など印刷原板、金属やレンズ、漆などを磨くために使われてきました。顕微鏡で見ると、サンドペーパーは粒子が尖っていますが、炭は丸いそうです。炭でなければできない仕事が世の中には沢山あります。しかし、ある部分、つくり手がこだわったり、消費者がその違いを比べて見たり気づかなければ、わざわざ使われることがなくなり、消えてゆく道具になってしまいます。
日本の工芸が誇る、世界に勝負できる「品質」の面を支えているこの道具を、わたしたちは絶やしてしまってもいいものなのでしょうか。研磨のための炭と同様に、日本全体で起こっているこれらの課題を、研磨炭の名工・木戸口さんの制作の様子を追った動画を見ながら、みなさんと考えるシンポジウムを11/17に開催いたします。
そこで、みなさまにお願いです。 今回起こしたい第一歩のアクションは、さまざまな課題を抱えつつ、誇りと矜持で制作を続けて下さっている道具や素材の制作者に、この21世紀鷹峯フォーラムのなかで、「ありがとう」や「はげまし」を届けたいと考えています。
もしよろしければ、今回は木戸口武夫さんにあてて、シンポジウムの2日前、11/15までに届くように、CoJの事務局宛に簡単なメッセージ、もしくはお手紙をおおくりいただけませんでしょうか。
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FAX:03-3573-3315 MAIL:info@takagamine.jp
郵送:〒104-0061 東京都中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング3階
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実際につくり手のかたのなかには、まだまだ先代から残された研磨炭をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。日に日に減るものでないために、大きな問題だと認識されていない方もいらっしゃいますでしょう。しかし、「次世代のつくり手も、この磨く炭を使ってもらいたい」と思っている方がいることが大きな励みになります。そんな思いを木戸口武夫さんにお届けできれば幸いです。なお、一般の方からのメッセージも歓迎いたします。
よい仕事を褒め合う環境が、作家さんのこだわりを生み国産の炭を選び買うことで、炭産業とその技術を国内で維持してゆくことにつながります。ほかにもまだまだ、わたしたちには何かできることがあるかもしれません。そして、当日のシンポジウムへの議論にご参加いただきたく、心よりお待ち申し上げております。
絶滅危惧の素材と道具いま起こっていることシンポジウム
日程:2017年11月17日(金)
時間:15:00~16:30 (14:30~受付開始)
会場:石川県立美術館・ホール
(無料・事前申込特典(家庭用研磨炭)あり)
お申し込みは公式鷹峯ウェブから。http://takagamine.jp/event/5951
我が国の歴史的建造物の多くに金箔が使用されていますが、金箔の組成や使用方法について詳しく研究されたことはありません。それを試みたのが、今回の「文化財建造物に使用された金箔に関する保存修復科学的な調査研究」です。現在平成の修理が行われている日光東照宮をケーススタディとして、東照宮の江戸中期に行われた修理で残された文書を解読して修理に使われた金箔を割り出し、それと同じ組成の金箔を復元・作成して彩色手板を作成しました。その一連の研究成果を展示するものです。研究内容をパネルで解説するとともに、当時の装飾の断片、当時の金貨、それを用いて復元した金箔そして彩色手板を展示しています。また、陽明門の修復過程をVTRで紹介しています。この展示を通して、多くの方が文化財の保存修復について、それに活用される金沢の金箔について知ってくださることを願っています。
金箔は美術工芸の一つの素材にすぎませんが、もし金箔がなければ作品は全く違った姿になっていたでしょう。作品の美しさを一層輝かせているものは金箔と言えます。金箔は我が国の美術工芸品になくてはならない存在ですが、それが作品の中で実際にどのように使われているかについては、あまり知られていません。この展覧会ではその金箔の使われ方に焦点を合わせました。
絵画では金箔をそのまま下地に貼ってその上に描きますが、能衣装に使われる金糸では、金箔は和紙に貼ってから細く裁断して糸とし織り込まれます。また截金と言う技法では、数枚の金箔を焼き合わせ、それを丸や四角などの小片に切り、それらを貼り合わせて文様を描きます。漆芸の沈金は、漆塗りの表面を彫り込んでその溝に金箔を磨り潰した粉(消し粉)を刷り込んで文様を描く技法です。金箔粉(消し粉)は、また膠と混ぜると金泥となり、絵の具として絵や仏像や焼き物などに幅広く使われます。
展覧会では、作品一つ一つに日本語と英語の解説をつけています。また金箔の製造過程についても展示やビデオでご覧いただけます。日本の方にも外国の方にも金箔の魅力を知っていただきたいと思います。
弁当忘れても傘忘れるな!
雨がたくさん降る金沢ならではの言い伝え。和傘、見たことがありますか?和紙と竹と木でできた昔ながらの和傘つくりを、金沢の地で和傘・水引工房明兎の職人二人で竹骨をカットだけしていただいたのち、日本で唯一のろくろ屋さんからろくろを分けて頂き、竹をつなぐことから、和紙を張り上げ、仕上げまで一貫して行っております。
和傘の工程は20とも100とも言われます。その工程のほんの一部ではありますが、和傘のお話をしながら皆様にお会いしたいと思います。一声和傘さしてみたいと言ってください。和傘で記念撮影お撮りいたします。また、金沢の伝統工芸の水引の可愛いアクセサリー等も一緒に販売いたします。
和傘・水引 工房 明兎では、和傘の制作実演、展示、販売、伝承(Creating, Selling and Tradition of Wagasa)を想いに日々研鑽を積んでおります。
和傘は作り手が選ぶ和紙によっていろいろな色がありますが、雨をはじくための油を引くことによって、和紙の風合いはとても変わります。自然光での透け感はマジックのようです。色々な和傘を見ていただき、是非、手にとって、和紙の透け感や油の香りを体感していただきたいと思います。そんな思いを金沢駅構内の石川県金沢観光情報センター催事・展示コーナーにおいて平成29年11月 4日(土)~ 11月12日(日) 10時~17時期間中毎日展示実演販売会をいたします。(後編につづく)