輪島漆芸美術館ミュージアムショップでは、企画展「没後50年記念 竹園自耕―蒔絵と図案―」開催にあわせて、オリジナルグッズを好評発売中です!《花鳥文飾筥》と《瑞兆文漆箱》のモチーフをそれぞれあしらった、「マスキングテープ」は新商品です。模様が愛らしく色彩が鮮やかで、古びることのない作品の魅力を存分に発揮しています。デザインに本展覧会のポスターを取り入れた「クリアファイル」や「塩せんべい限定パッケージ」も新発売しています。人気グッズの「《瑞兆文漆箱》一筆箋」「《花鳥文飾筥》絵はがき」もあわせてお試しくださいませ!
本展覧会会期中は、展覧会ご鑑賞のお客様に展覧会のカラー目録をもれなく配布しています(お1人様1冊のみ)。オールカラー24ページのボリュームで、展示されている作品や図案を収録した盛りだくさんの内容です。展覧会の感動を、ご自宅でもう一度お楽しみください!
石川・金沢 トークリレーバトン
漆の色といえば、一般的に朱や黒を連想しがちですが、昭和初期の帝展では漆芸の新たな創造の世界を獲得するべく、作家たちがこぞって色鮮やかな漆を用いました。企画展「没後50年記念 竹園自耕―蒔絵と図案―」では、この彩漆(いろうるし)を駆使した輪島の漆芸作家・竹園自耕(たけその じこう)をご紹介しています。竹園は明治末期に蒔絵師として独立し、膳椀の加飾などを請負いましたが、昭和4年に帝展へ初入選を果たし、作家としての才能を開花させます。また、蒔絵師ならではの高上げ技法(金属粉などを使ったごく繊細なレリーフ状の盛り上げ)を組合せ、《花鳥文飾筥》で特選となりました。精細巧緻と評された本作品は必見です。展覧会出品作から漆椀などの実用品まで、竹園が好んで用いた独特の「グレー」の彩漆も、展示室で探してみてください。
今月3日から始まった「奥能登国際芸術祭珠洲2017」には、多くの方々が足を運んでいらっしゃるとのことです。珠洲市のお隣に位置する輪島市では、歴史ある工芸産業・輪島塗を中心に、漆文化を堪能できる施設やイベントが充実しています。ぜひ併せてお立ち寄りいただきたいと思います。(後編につづく)
今年の小松市民茶会は…
仙叟屋敷ならびに玄庵では、「仙叟屋敷ならびに玄庵開庵20周年記念 小松市民茶会」を11月3日(金)に開催いたします!
今回は、特別企画が盛りだくさん!
茶会では、小松市出身の銀行家 本陣甚一氏が収集した美術品のうち、地元陶芸作家の抹茶碗が一席に数碗でてきます。各席主の方の心づくしの素晴らしい茶道具に加え、もしかしたら貴重な抹茶碗で一服できるかも!
また、本陣コレクションの茶道具等も特別公開いたします!茶室風のしつらえで、小さな茶会のような空間を演出してみました。人の手によって、一つ一つ丹精込めて創られるからこそ感じられる、ぬくもりも併せて感じていただければと思います。
待ち時間には、4月に行われた茶道裏千家十五代・前家元 千 玄室氏の特別講演の模様をダイジェスト版でご覧いただけたり、カラフルな水引でオリジナル雑貨を作れたりと、待ち時間も楽しくなることまちがいなし!
会場周辺の文化施設では、茶券を受付で提示すると入館料が無料になる特典も!
文化の日は、秋深い芦城公園を五感で感じ、奥ゆかしい「日本の美」にふれてみませんか。
茶室「仙叟屋敷ならびに玄庵」のみどころについてご紹介します!
茶室は、茶道裏千家十五代・前家元鵬雲斎千玄室氏が設計し、数奇屋建築の名匠 中村外二工務店により建築されました。棟梁は、「日本の美」と称されるこの世界で、当代随一の名工と名高い職人 升田 志郎氏。京都迎賓館主賓室座敷をはじめ、日本を代表する数寄屋建築を手がけるなど国内外で多くの建築に携わっています。
升田棟梁の「木の『顔』を生かす」信念は、茶室の柱はすべて京都の北山杉を、床柱には天然のちりめん絞りの北山杉、床の間の天井板は、樹齢の長い九州の赤杉の一枚板を使うなど木材の選抜から部材の生かし方まで随所にこだわっています。仕上げに至るまで、木材の正面に据える一番いい表情を徹底的に探り、さらにその「顔」をより美しく見せる精緻な加工を施しています!
茶室開庵から20年が経ち、今も変わらず、千家四代仙叟ゆかりの趣を感じるのは、建物や茶道具などの目に見える価値の高さだけではなく、創り手の深く強い思い入れと、そして今も受け継がれている茶の心と小松人の風雅を愛する心が相まっていると日々感じさせてくれます。
金沢美術工芸大学では、10月4日(水)から「平成の百工比照と工芸作品の精華」を開催します。平成の百工比照は、約5600点におよぶ現代の工芸資料を集成した一大標本です。今回は漆の蒔絵技法の中でも最高難度をほこる「肉合研出蒔絵(ししあいとぎだしまきえ)」の工程見本をご紹介します。「炭上げ」「塗り」「蒔絵」「研ぎ」を幾重にも施すことで立体的な図柄と見事な艶と輝きを生み出す手わざは超絶技巧そのもの!さらに会場では、この技法の制作記録を高精細な4K画質でとらえた映像もお楽しみいただけます。1階には工芸に加え、美術やデザイン分野の蔵書が充実した図書館もあります。作品鑑賞とセットで心ゆくまで工芸の世界に浸ってみてください。
金属工芸 加澤美照工房では、10月6日(金)〜11月2日(木)、「やってみまっし!加賀象嵌」と題し、加賀象嵌を身近に体験できるワークショップを開催します。
当工房は、初代加澤美照がここ瓢箪町で工房を開き100年ほどになります。ギャラリーでは、象嵌作品や彫金作品、初代が手掛けた昭和の頃の特注の飾り金具から現在制作中の金具まで、「これは何?」「どこに使うの?」と、今ではテレビの時代劇でしか目にしないような金具も展示しています。
また工房では、地元ならではの、「加賀野菜の美味しい食べ方」、ご近所の知る人ぞ知る「美味しいお店」、 耳寄りな「観光情報」、そして金沢近郊の「釣り情報」や「旬の魚あれこれ」などなど…楽しい話題満載♪♪
金沢生まれ金沢育ちのスタッフが、金沢弁で皆様をお迎えします。工房は、金沢駅・近江町市場から徒歩10分位のところにあります。 皆様のお越しをお待ちしております。
石川県七尾美術館は能登半島のちょうど真ん中あたり、七尾市に所在する小さな美術館。
当館では9月23日(土・祝)より10月22日(日)まで、展覧会「所蔵品にみる いしかわの工芸」を開催いたします。
担当者イチオシの作品は「カブラ絵合鹿椀」。「合鹿椀」とは、奥能登能登町の合鹿地方でおおよそ桃山~大正時代頃に制作された漆椀。素朴な造りが特徴ですが、本品には朱漆でカブラの絵が描かれているのが大変珍しいです。ボクトツとしながらも温かみあふれる風合いが、まるで能登の風土そのものよう。ぜひご鑑賞ください。
なお、同時開催の企画展「能州ガ生ミシ名畫」では、当地出身の絵師・長谷川等伯の仏画なども展示します。そしてご鑑賞後は、館内ティールームにて当方おすすめの「等伯コーヒー」でひと休憩。きっと貴方を至福の時間へといざなってくれることでしょう。
金沢市立中村記念美術館では現在、企画展「工芸セレクションⅠ お茶碗と棗」を開催しています。当館が所蔵するさまざまなお茶碗60点と、抹茶を入れる棗35点、そして季節の道具の取り合わせを展示しています。
茶道具といったらやっぱりお茶碗、そしてお茶会では茶碗と棗を隣同士に置きますよね!・・・ということで、展示では実際に、春は吉野山という銘のお茶碗と桜の平棗、初秋は侘びた茶碗と秋草を繊細に描いた棗、お正月は海老のお茶碗と松の金蒔絵の中棗など、季節に添った茶碗と棗の取り合わせも行っています。茶碗と棗を隣同士に並べることで、茶会で用いているような臨場感を感じていただけると嬉しいです。
また当館呈茶室では、郷土の作家を中心としたいろいろなお茶碗から、お好みの碗を選んで抹茶とお菓子をお召し上がりいただけます。同じお茶とお菓子でも、器が変わると何となく味も変わったように感じられるのが、茶道具の不思議なところ。ぜひお試しください!
金沢駅から歩いて10分の安江町にあるArtShop月映。私どもの店の近くのスポットでは、町家を活かしたカフェ「安江町ジャルダン」クイズが置いてある「謎屋珈琲店」はよく知られています。昭和な感じの「宮川菓子舗」は、抹茶味やコーヒー味の餡がおいしいと評判です。他にアルコールが全くだめな私としては残念ですが、400種類の日本酒が置いてある居酒屋など、裏道の面白みを味わう楽しみもあります。
金沢駅から歩いて10分の安江町にあるArtShop月映で、10月1日より月映セレクト展を開催します。私どもは立体ArtのShopとして2015年に開業しました。まだまだ手探り状態ですが、「金沢の工芸Artを盛り上げよう」という熱い思いを持ち続けています。セレクト展では、若いつくり手が思いを十分表現する大型作品を展示します。
おもな出展作家は、(金工)藪内公美 (ガラス)津守秀憲 (漆)百瀬玲亜 鵜飼康平 (陶)橋本知成 佐藤文 です。
私どものArtShop月映の建物は、明治の初期に建造された商家の町家で、染物店の後は漁網店として使われていました。蔵の格子の扉は幕末時代のものではないか、という方もいらっしゃいます。こんな街中に?と皆さんが驚かれる奥のお庭は、今でも大家さんのお手入れで見事です。写真のつくばいは、大家さんが子供のころ月が映ったということです。そのエピソードにちなんで、ArtShop月映と名付けました。
このあたりの旧町名は、鍛冶町といいます。加賀藩の三代目当主の前田利常が刀鍛冶に宅地を与えたことで名付けられました。職人さんが刀をつくっていた町に、工芸ArtのShopを開店し、若いつくり手の作品をご紹介することは、伝統を受け継いでいくひとつの形かもしれません。
11月には金沢美大のOBや学生が庭の前の倉庫を活用し、作品展示をする予定だそうです。そのような創作意欲を駆り立てる何かを持っている空間です。ぜひ、お越しください。(後編につづく)
大樋美術館では、特別展『大樋焼歴代とゆかりの人々展』を開催しています。歴代 長左衞門の代表作をはじめとして、井上馨、松永耳庵、伊東深水、加山又造などの作品とともに、千住博が描いた『ウォーター・フォール2014』が特別展示されています。本作は、大樋家邸内茶室の襖絵であり、一般には公開されていませんでした。白糸のように流れ落ちる力強い滝は圧巻の一言です。満々とたたえる水、轟音響き水しぶき跳ね飛ぶ風景。その清々しさに心引き込まれることでしょう。滝のマイナスイオンでリフレッシュされた後は、お抹茶一服いかがでしょうか。大樋ギャラリー内の茶室『年々庵』では、歴代大樋茶盌で抹茶を喫することができます。ゆったり癒しのひと時をお過ごしください。
小松市立本陣記念美術館では、企画展「艶と煌きの美 漆工と金工の技」が好評開催中です。本展で注目してもらいたい作品が「兎文蒔絵提重」。提重(さげじゅう)は今で言う、ピクニックセットですね。取り皿、盃がコンパクトに収められ、さらにお酒まで入れて注ぐことができる優れもの。後姿の兎がとても可愛らしい。どれ一つとして同じ姿はありません。お花見、紅葉狩りにと、昔の人は粋でおしゃれなグッズを持っていたのだなあと感心します。今、日本はベントーブーム。お出かけに手作り弁当を美味しく美しく楽しみたいものです。さて、当館の周りには小松市立博物館、宮本三郎美術館そしてお茶室や絵本館、図書館など好奇心をくすぐる場所が集結しています。ぜひお立ち寄りを・・・