金沢安江金箔工藝館1

石川・金沢 トークリレーバトン

11/6mon.
金箔と日本美術

金箔は美術工芸の一つの素材にすぎませんが、もし金箔がなければ作品は全く違った姿になっていたでしょう。作品の美しさを一層輝かせているものは金箔と言えます。金箔は我が国の美術工芸品になくてはならない存在ですが、それが作品の中で実際にどのように使われているかについては、あまり知られていません。この展覧会ではその金箔の使われ方に焦点を合わせました。
絵画では金箔をそのまま下地に貼ってその上に描きますが、能衣装に使われる金糸では、金箔は和紙に貼ってから細く裁断して糸とし織り込まれます。また截金(きりかね)と言う技法では、数枚の金箔を焼き合わせ、それを丸や四角などの小片に切り、それらを貼り合わせて文様を描きます。漆芸の沈金は、漆塗りの表面を彫り込んでその溝に金箔を磨り潰した粉(消し粉)を刷り込んで文様を描く技法です。金箔粉(消し粉)は、また膠と混ぜると金泥となり、絵の具として絵や仏像や焼き物などに幅広く使われます。
展覧会では、作品一つ一つに日本語と英語の解説をつけています。また金箔の製造過程についても展示やビデオでご覧いただけます。日本の方にも外国の方にも金箔の魅力を知っていただきたいと思います。

金沢安江金箔工藝館

館長

川上 明孝