日光東照宮で現在行われている修理において、金沢の金箔、特に「縁付け」と呼ばれる、伝統的打紙による金箔が用いられるようになりました。この背景には、文化的建造物の修復には国産漆をという文化庁の方針があります。縁付金箔は今後、東照宮以外の歴史的建造物の修理においても使われることが見込まれます。しかしそれを安定的かつ継続的に供給するには、後継者の育成、手漉き和紙の確保など、克服すべき課題が山積しています。このフォーラムでは、塗装彩色修理に使用される金箔の歴史について、金箔製造に用いる打紙の原材料とその製紙についての2つの講演ならびに文化財保存の素材である金箔を産業の観点から考えるパネルディスカッションを開きます。伝統文化の保存は伝統産業の継承にかかっています。多くの方の参加と平場からの積極的な発言を期待しています。