金沢市立中村記念美術館

石川・金沢 トークリレーバトン

9/15fri.
春をイメージした取り合わせ。
黒茶盌 銘 吉野山(九代 大樋長左衛門作)と桜蒔絵平棗

金沢市立中村記念美術館では現在、企画展「工芸セレクションⅠ お茶碗と(なつめ)」を開催しています。当館が所蔵するさまざまなお茶碗60点と、抹茶を入れる棗35点、そして季節の道具の取り合わせを展示しています。
茶道具といったらやっぱりお茶碗、そしてお茶会では茶碗と棗を隣同士に置きますよね!・・・ということで、展示では実際に、春は吉野山という銘のお茶碗と桜の平棗、初秋は侘びた茶碗と秋草を繊細に描いた棗、お正月は海老のお茶碗と松の金蒔絵の中棗など、季節に添った茶碗と棗の取り合わせも行っています。茶碗と棗を隣同士に並べることで、茶会で用いているような臨場感を感じていただけると嬉しいです。

お好みの茶碗で抹茶をお楽しみください

また当館呈茶室では、郷土の作家を中心としたいろいろなお茶碗から、お好みの碗を選んで抹茶とお菓子をお召し上がりいただけます。同じお茶とお菓子でも、器が変わると何となく味も変わったように感じられるのが、茶道具の不思議なところ。ぜひお試しください!

金沢市立中村記念美術館

学芸員

齋藤 直子