今回の展示を通じて、みなさんにどのようなことを知っていただきたいですか。
今回のフォーラムの主旨が「NEXT100年」、100年後に伝えたいものということですので、現在、境港市で取り組んでいる伯州綿の活動をどうやったら後世に残していけるのかをみなさんと一緒に考えていければと思っています。
境港市で取り組んでいる伯州綿市民栽培サポーター制度を続けることによって、後生につなげていきたいと思っているのですが、今回参加している他の方たちのいい取り組みを吸収して帰りたいと思っています。
伯州綿は販売されていないのですか?
市販しているものは赤ちゃん用の商品やトートバッグ、ハンカチ、タオルなどがあります。市民サポーターがつくった綿は、市内で生まれた新生児用の「おくるみ」と100歳を迎えられた方の「ひざかけ」に加工してプレゼントしています。それ以外の農業公社が直営で栽培している綿を一般に市販する商品に使っています。
この活動をはばむものは何でしょうか?
つくり手がなかなかいないことです。市民サポーターもそうですが、次につなげていくにはどうしてもつくり手がいないといけません。つくり手をいかに確保できるかが一番の課題になっています。2016年でいいますと130名以上の方がサポーターとして参加していただいていますが、今後それをいかに増やしていけるかが一番の工夫がいるところだと思っています。
今後の展開をどのようにお考えですか?
平成20年に伯州綿の試験栽培を始めて、平成21年から本格栽培に取り組んで8年目になります。来年で9年、その次の年で10年です。ひとつの節目を迎えるのですけれども、そこで市としても、おくるみ事業、ひざかけ事業を継続しながら、サポーターも増やしつつ、持続可能な事業にしていけるようにしたいと思っています。
それに欠かせないのが商品開発です。新しい商品を開発して、全国的に販売をして、その売り上げで事業を回す、そういうサイクルを構築できたらなと思っています。
2016年12月13日、絶滅危惧の素材と道具「NEXT100年」にて。
文:いしまるあきこ
写真:大隅圭介