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展覧会・イベント、見てある記 #14

金沢城・兼六園大茶会 特別茶会

2017年10月7日(土) @ 石川県立美術館 

石川県立美術館・講義室に設えられた茶室。「漆」一文字のお軸は、大場松魚筆。
茶席を務めた奈良宗久氏
嶋崎館長の説明を聞きながら、お茶をいただく参加者たち

金沢城・兼六園大茶会(石川県茶道協会、北國新聞社などの主催)が、10月7日(土)から9日(月)まで、兼六園・時雨亭、金沢城公園・玉泉庵などの会場で開催され、石川県内の8流派14社中が、県内外の著名な工芸作家の新作道具を使用し、点前を披露しました。

石川県立美術館では、本祭典(21世紀鷹峯フォーラム 第3回in石川・金沢 百万石ものがたり工芸の祭展)の一環として、館所蔵の日本芸術院会員や人間国宝の作品を中心とした茶道具を使用するという画期的な“特別茶会”が企画されました。

席主は、嶋崎丞館長。茶席は、裏千家今日庵業躰(こんにちあんぎょうてい)奈良宗久社中が担当。

館長が鳴らす、低く響きわたる銅鑼の音を合図に茶会がはじまりました。その銅鑼は、人間国宝の初代魚住為楽(うおずみいらく)の「砂張(さはり)銅鑼」と館長の説明。この茶会が特別であることが改めて感じられます。

「難しいことは考えずに、まずは使ってみてほしい」と館長。近代漆芸の第一人者、松田権六の薄器「老松蒔絵棗(おいまつまきえなつめ)」、十代大樋長左衛門による茶碗 黒 銘「汲古」、陶芸家・石黒宗麿の茶碗「千点文筒」、菓子器「鉄絵鳥文」といった名品の数々がおしみなく使われ、参加者は手に取って鑑賞できる贅沢な機会となりました。

展覧会、および資料館の情報は
→ 21世紀鷹峯フォーラム 情報ページ

取材日2017年11月5日