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展覧会・イベント、見てある記 #03

「テキスタイルアートへのいざない − 台湾・金沢現代織物芸術交流展」

2017年10月6日(金)〜10月15日(日) @ 金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB
21世紀鷹峯フォーラム 第3回 in 石川・金沢 連携イベント

絵と服が共存した作品 (LEE, Yu-Lien・李玉蓮 )
都市の変化・発展の概念を表現した「Silk Semi Sen」(KANG, YA-Chu・康雅筑)
紬織着物「古の碧」(足立真実)

本展は、金沢出身の水利技術者で、台湾の農業水利事業に多大な貢献をした八田與一氏の没後75年を記念した展覧会です。台湾と金沢ゆかりの作家33名が参加し、約40点のテキスタイルアート作品が一同に会しています。

台湾の作家では、布製の絵が、実は衣服になるという絵と服が共存した作品(作:LEE, Yu-Lien・李玉蓮)、シルク紡績糸を使用した錆染めのオブジェと、それを大切にしまい込む空間としての繊細な器のインスタレーション(作:CHEN, Ying-ting・陳穎亭)。また、蝉と蚕の成長過程における脱皮と保護のイメージにより、都市の変化発展の概念を解釈したという、迫力ある昆虫のようなオブジェ(作:KANG, YA-Chu・康雅筑)など力作が並んでいます。

それに対して、着物や衣服、アクセサリーといった服飾工芸が目立ったのが日本の作家です。紬織の触感とモダンな柄が融合した着物(作:足立真実)、紗の一種である穀織(こめおり)の技法による着物(作:海老ヶ瀬順子)、筆で描いたかのように刺繍をほどこした摺箔袋帯(作:宮越仁美)、能登上布の伝統技術の継承を製品化によって試みる衣服(作:村山祐子、平塚聖子)といった印象に残る作品が多く見応えがあります。織物芸術の現在とその豊かな可能性が感じられる展覧会です。

展覧会、および資料館の情報は
→ 21世紀鷹峯フォーラム 情報ページ

取材日2017年10月6日