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展覧会・イベント、見てある記 #10

暮らしの伝統工芸

2017年10月4日(水)〜11月28日(火) @ めいてつ・エムザ1階「黒門小路」

会場は金沢の台所・近江町市場の向かいに立つ老舗百貨店の1階。この一角を回遊するだけで、金沢のみならず石川全域および北陸の名産品が楽しめる。
「加賀・能登 工芸の粋」と名付けられたスペースでは、常設で日本工芸会石川支部とのタイアップ展示が行われている。
女性作家による小物は展示作品の中でも人気が高く、「金沢訪問の記念に」と手に取る人も多い。

「伝統工芸品」と言われると、実用よりも飾って愛でる方がふさわしいのではないか。そんな思い込みを払拭してくれるような催しが、金沢の台所・近江町市場に向かいに建つ百貨店「めいてつ・エムザ」の1階セレクトショップ「黒門小路」にて、11月28日まで開催されています。

「暮らしの伝統工芸」と銘打たれたこの展示は、日頃から同スペースでタイアップ展示を行っている公益社団法人日本工芸会石川支部に所属する作家の作品を集めたもの。日本工芸会といえば、重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)を中心に、伝統工芸の作家や技術者らによって組織され、その高い技術を受け継ぎ、次代へ繋いでいく役割を担う団体ですが、本展では、タイトルにあえて「暮らしの」という言葉を冠し、生活の中で「使う」シーンを想像しやすい小物やうつわ、酒器、茶道具などが集められました。もちろん、すべて購入可能となっています。

会場は観光客の往来も絶えない立地とあって、実際に作品を手に取ってゆくのは、地元客よりも外国人をはじめとした金沢への訪問客が多いとのこと。またその中でも「暮らし」の担い手であることが多い女性の方が、自分だけの逸品を見つけていく傾向が強いようです。

本展への出展作家はおよそ20名。今回は日本工芸会の正会員だけでなく、準会員や研究会員といった、これから活躍が期待される作家の作品も数多く展示されているのも印象に残りました。

展覧会、および資料館の情報は
→ 21世紀鷹峯フォーラム 情報ページ

取材日2017年10月30日