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展覧会・イベント、見てある記 #05

Japan(漆) Yamanaka2017

2017年10月29日(日)12:00~17:00 / 30日(月) 9:00~17:00
@ 石川県立山中漆器産業技術センター(石川県挽物轆轤技術研修所)、山中うるし座

木地・塗り作品の展示販売会場
石川県知事賞・加賀市永久保存作品「欅造銀線象嵌皿」(川北浩彦)
「堆漆酒器」(山谷尚敏)
石川県知事賞「四段引出し印籠 深海戦」(山崎夢舟)

金沢から約1時間、山中温泉方面へと車を走らせる。白鷺大橋まで来ると、川辺の樹々が赤や黄色に染まり、秋の深まりを告げていました。橋を渡り右手へしばらく進むと、2日間限定で開催された山中漆器の展示即売会の会場へ到着です。

この展示即売会は長い歴史があり、毎年この季節に開催されています。現在は木地師・塗師・蒔絵師の合同新作発表の場になっていますが、最初は蒔絵師だけの展示会から始まり、その時から数えると今年で90周年を迎えるそうです。山中漆器は分業で制作するため、部門ごとに組合が作られています。この会場でも木地・上塗・蒔絵の部門ごとに職人の自信作が並べられ、優秀作には県知事賞や市長賞などが授与されていました。

山中は挽物の技術の高さで日本一を誇り、木地だけの状態で展示するスタイルは、他の漆器産地では見られない珍しい光景。そのため、この展示即売会へ木地の買い付けを目的に、日本各地の漆器問屋・塗師たちが訪れるのだそう。また、以前は漆器業界の関係者に向けた展示会でしたが、今は一般にも解放され、作家と直接話をしながら、良品を市価より手頃に購入できると人気を集めています。木地の美しさ、艶やかで滑らかな漆の光沢、繊細な蒔絵に目を奪われる山中漆器。この展示即売会は、そんな作品の数々を直接手にとって、間近に見ることができる絶好の機会なのです。

また、10月29日には本金と天然漆を使い、3時間ほどで作品を仕上げる蒔絵皿づくり体験教室も行われました。翌日の訪問で体験できなかったけれど、こちらもぜひ参加してみたかった企画です。

展覧会、および資料館の情報は
→ 21世紀鷹峯フォーラム 情報ページ

取材日2017年10月30日