京都の工芸

第4回コレクション展 特集展示:京都の工芸

展示平成27年10月7日(水)~12月6日(日)

午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は、翌火曜日休館)

@京都国立近代美術館 4階コレクション・ギャラリー

開館以来、「工芸」を美術館活動の重要な柱の一つとして位置づけてきた。この展覧会では、京都の近代工芸の多様な動向を振り返り、同時に新たな可能性を問い直す機会となる。

京都国立近代美術館は、1963年に「国立近代美術館京都分館」として設置されて以来、「工芸」を美術館活動の重要な柱の一つとして位置づけています。地場産業とも密接に関わっている工芸に重点を置くという方針は、京都に国立美術館を誘致する際に尽力した京都市から、当館設立時に出された要望でもありました。そうした経緯も背景として、当館ではこれまで数多くの工芸展を開催してきました。例えば、1998年度開催の「京都の工芸[1910-1940]伝統と変革のはざまに」展と、2001年度開催の「京都の工芸 1945-2000」展は、京都の近代工芸を戦前と戦後の2回に区切って展観し、検証しようとしたものです。近代工芸の黎明期から揺籃期、そして工芸が大きく変貌を遂げた戦後の新たな動向まで取り上げた「京都の工芸」展シリーズは、陶芸、染織、漆芸を中心に、さまざまなグループの結成や意欲的な活動を総覧する、またとない機会となりました。戦後の活動では、「新匠美術工芸会」の結成、陶芸の「四耕会」や「青年作陶家集団」、「走泥社」といった新しいグループの結成やクラフト運動、染織では染織集団「∞(無限大)」の結成やファイバー・ワークという新たなジャンルの確立、漆芸では「創人社」、「朱玄会」、「フォルメ」などの結成・解散がたびたび起こり、このような状況のなかで、旧来の工芸概念ではとらえられないような新しい作品が生み出されたと言えるでしょう。

本展では当館のコレクションから、この2回の「京都の工芸」展シリーズに出品された作品を中心に紹介することで、京都の近代工芸の多様な動向を振り返ります。21世紀における工芸の新たな可能性を問い直す場となれば幸いです。

服部峻昇《漆屏風「未来への旅立」》1973年
服部峻昇《漆屏風「未来への旅立」》1973年
森口邦彦《友禅訪問着「網代暈模様」》1968年
森口邦彦《友禅訪問着「網代暈模様」》1968年
麻田脩二《WORK-G》1971年
麻田脩二《WORK-G》1971年
坪井明日香《歓楽の木の実》1973年
坪井明日香《歓楽の木の実》1973年
河井寛次郎《打薬扁壺》1962年
河井寛次郎《打薬扁壺》1962年
山田光《塔》1964年
山田光《塔》1964年
小林正和《HANAOTO WR-99》1999年
小林正和《HANAOTO WR-99》1999年
入館料 一般:430(220)円、大学生:130(70)円
※( )内は20人以上の団体料金。
※高校生、18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方と付添者1名は無料(入館の際に証明できるものをご提示ください)
キュレーター 松原龍一[京都国立近代美術館学芸課長]
お問い合わせ 京都国立近代美術館 学芸課長 松原龍一
〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町
Tel: 075-762-1711 Fax: 075-752-0509

会場風景

展示作品紹介(一部)

会場

京都国立近代美術館

4階コレクション・ギャラリー

〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町 (アクセス)