Report

100年後に残る工芸のために「工芸と観光」国際会議

Day3 100年後に残る工芸のために円卓会議
「工芸と観光」国際会議
メインシンポジウム

2017年11月26日(日)13:00〜17:00 @ いしかわ 総合スポーツセンター・サブアリーナ

【主な流れ】
会場への3つの問い
ファシリテーター:塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)
石川における工芸機関の発表
総括 ファシリテーター:塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)
石川・金沢提言 発表:嶋崎丞(石川県立美術館館長)

【プログラム】
13:00-13:10 開会の挨拶
13:10-13:20 円卓会議 京都・東京を振り返る動画│10分
13:20-14:50 円卓会議 会場への3つの問い│90分 <ファシリテーター>京都大学総合博物館 塩瀬隆之 准教授
14:50-15:20 休憩│30分
記入用紙回収、集計
15:20-16:10 石川・金沢参加団体発表 2017成果共有│50分
16:10-16:30 レビュー── 会場からの答え│20分 京都大学総合博物館 塩瀬隆之 准教授
16:30-16:40 第3回 石川・金沢提言発表│10分 石川県立美術館 嶋崎丞 館長
16:40-17:00 より広範なオールジャパン工芸連携、そして世界に向けて│20分
一般社団法人ザ・クリエイション・オブ・ジャパン 林田英樹 代表理事

→イベント詳細https://takagamine.jp/event/5850

100年後に残る工芸のために円卓会議
2017年 石川・金沢
テーマは「工芸と観光、いかに工芸を伝えるか」
「工芸と観光」を結びつけると生じる、地域やつくり手の現場で困っていること
・外国語対応力の不足・難解な技術や歴史の説明
・カード決済・荷物の発送業務の未対応
・飲食店・宿泊施設の不足
・工房訪問による作業の停滞

全国の主要な工芸産地を持つ都道府県及び市町村自治体への事前調査と、
この会議に集まる、日本全国、および工芸の先進事例をもつ
石川・金沢の工芸有識者が集まることで成功例、失敗例を共有していきます。
❶ 地元の応援団、特別な語り部をどう増やすかの作戦を出し合う
❷ ものからことへ、理解を促すための工芸体感の事例
❸ 求められる工芸英語化、一方で困惑を招く同一単語の「バラバラ」な英訳を解消するには?
❹ 工房に「来過ぎ」問題の対応策の提案

工芸を活性化し、100年後の工芸につながる方策を考えていきます。

石川・金沢提言へ

日本の工芸の未来をつくる
各界リーダーズ& 工芸有識者 円卓会議

第1部

「円卓会議 会場への3つの問い」では、ファシリテーター・塩瀬隆之氏による誘導のもと、意見交換が行われました。第3回のテーマ「工芸と観光」に即して、「伝える」「ルールづくり」「横断的な発想」の3つの問いが投げかけられました。

まず「伝える」について。工芸品は言葉で伝えるのが難しいアイテムです。見た目を説明するのが「伝わること」につながるのか。産地ごとの違いや特徴をどのよう解説すべきなのか。専門用語をどう扱うべきか。伝えたい事を確認した上で、手に取ってみたいと感じるような言葉、PR表現はどのようなものかを探す必要性を確認しました。
伝える人材の養成も必要です。特につくり手が語るべきか否かという議論では意見が分かれました。不特定多数の相手に説明を行うことで、誰に何を提供しているのかが明確になり、つくるものも変わってくる。コミュニケーションの相互作用が、これからの職人やアーティストに求められているという意見が出ました。

工芸品を売るときにも、使い方を使い手に委ねるのではなく、実際に使い方を体験してもらうことが大切であるという意見のもと、一つのアイデアとして「工芸ピクニック」というプロジェクトが紹介されました。
また、工芸の英語化は必要ですが、バラバラで困惑を招いている現状が挙げられました。鷹峯フォーラムでは、横断的連携を活かし「工芸英訳ガイドライン整備事業」を行っており、その報告が行われました。

つぎに「ルールづくり」について。よき使い手、よき鑑賞者を増やすには、工房訪問は欠かせません。しかし、観光客をもてなす時間が、日々の作業の妨げになっている事例が出てきています。コーディネーターを設けるといったシステム化の提案、見学料を払うべきか否かの議論、期間や時間限定、ツアー化や、お互いを尊重できるルールづくりの共有などの意見が挙がりました。また、観光化によって工芸品の質を落とさない工夫が必要であるとの指摘がありました。

「横断的な発想」については、縦割りの行政区分、工芸は産業なのか文化なのか、もしくは仕事の分担範囲などが、問題をややこしくしている点が挙げられました。また、欧州では観光客が来すぎて、いかに抑制するかが問題になっています。誰のための工芸、観光なのかを真剣に考えるために、
「1.地元の優れた工芸品を見分けるクオリティを見分ける眼差し」
「2.工芸や技術の生まれた必然性に着目する」
「3.生活全体を包括的に捉える」
という3つの視点が提案され、その意味を共有しました。

第2部
21世紀鷹峯フォーラム 石川・金沢 成果共有では、「百万石ものがたり工芸の祭典、21世紀鷹峯フォーラム第三回in石川金沢」の連携参加機関から、それぞれの成果について、報告が行われました。